自分の存在する意味とは一体何なんだろう。生まれてきた意味を確かめる方法などこの世には無いことぐらい分かっているのだけれど、誰もが一度は自分が何の為に生まれてきたのかを考えるものだ。なぜか?それはその難問を真剣に考えなければ、人間としての成長ができないからだ。その人生最大の難問にたどり着いたとき、きっとその本人は人生の岐路に立っているというよりは、危機に瀕している状況だろう。もちろん経済的にという意味ではなく、精神的にという意味で。そんな状況で導きだした危機から抜け出すキッカケという答えは、必然的に人間としての成長につながるわけだ。
なんでこんな話しをしたかというとシガー・ロスの音楽というのは、いろいろ考えさせられる音楽だからだ。音楽とは?宗教とは?神様とは?幸せとは?死とは?戦争とは?平和とは?そして人生とは?・・・
それを象徴するかのようにシガー・ロスの3rdアルバムにはタイトルがない。アルバムタイトル名は( )。そして収録されてる曲名にもすべてタイトルがない。全部( )だ。リスナーが聴いて感じたままのタイトルをそれぞれ付けてというシガー・ロスの意向だ。ジョンジー(ヨンシー)は、
「このアルバムは未完成なんだ。このアルバムを最後に完成させるのは僕じゃなく、リスナーなんだ」
と言っており、リスナーが聴いてタイトルを付けたところで完成という意向もあるようだ。レディオへッドのトム・ヨークやジョニーはシガー・ロスを慕い、レディオヘッドのツアーのサポートアクトに指名したり、時間があればライブを観に行くそうだが、シガー・ロスを支持する理由はきっとそういったシガー・ロスにしか表現できない領域の音源、まるでこの世の真理を知り尽くしてるかのような領域の音源に魅了されてのことだろう。もちろんそんなシガー・ロスだからジャンルを越えた様々なアーティスト達に影響を与えていて、今ではアイスランドの2大カリスマといえば、ビョークとシガー・ロスになっている。
バンド名は『勝利の薔薇』という意味。ジョンジーの妹の名前、Sigurrosにちなんでつけられた。当初はVictory Rose(勝利の薔薇)、つまりSIGUR ROSを英訳した名前を使っていたが、最初の曲のリリース後に、アイスランド語で歌うアイスランドのバンドなんだからアイスランド語のバンド名にしよう、と考えて結局SIGUR ROSになった。この考えは母国に誇りを持ってるんだなぁと感じられてとても素晴らしい。シガー・ロスの曲の歌詞は英語ではなく、母国のアイスランド語とシガー・ロス自身で考えた造語、ホープランド語で書かれている。だから歌詞の意味はさっぱりわからない(笑)アルバムで日本盤を買っても和訳はついてないから注意してね。ホープランド語の定義は「その言葉と一緒になるといい音のするノイズ」だそうだから、声を楽器として音の一つと考えての発想だと思われる。だからホープランド語の言葉には意味はなく、響きが音に合うものを言葉にしてるんだと思う。
3rdアルバムは全てホープランド語で書かれていて、これは歌詞もリスナーがそれぞれ書いてくれればいいという事のようで、オフィシャルサイトに行くと、自由に歌詞や画像をアップ出来るようになってるんで、興味のある人は書き込んでみては?
アイスランドの国民的バンドから世界のバンドに羽ばたいて、2000年のサマーソニックには初来日しているシガー・ロス。この神秘的で繊細で洗礼された美しい音楽は、争いごとの絶えない地球上の全人類が耳にして欲しいと願う。地球の為に、全人類の為に、全ての生物、植物の為に、そして自分の周りにいる人達の為に、自分の為に、今何をするべきなのかを考え直すキッカケになる。シガー・ロスとはそんな音楽を奏でるバンドだと思う。
★一部では1stアルバムのリミックス盤を2ndアルバムとして数えてるようだけど、当サイトではそれをオリジナルアルバムとは考えてないので、外してます。