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ビートルズのように美しく、ニルウ゛ァーナのように激しい。それがウ゛ァインズ!!

『クレイグと孤独とロックの関係』

地元ライブで実力をつけ、人気を得てデヴューするタイプが多い中、このウ゛ァインズは地元、オーストラリアよりも先にイギリスでブレイクした。この時ウ゛ァインズは地元ではほとんど無名の状態。1stアルバム『ハイリィー・イウ゛ォルウ゛ド』は世界で150万枚のセールスを記録した。ロックンロール・リウ゛ァイヴァルの流れをさらに『これでどうだ!!』と、とどめを刺して活性化させたのがウ゛ァインズだと言っても過言ではないはず。一方、ウ゛ォーカルのクレイグ・ニコルズ情緒不安定だ。『ホームシック』では「自由になれないんだ」と歌い、『カントリーロード』では現実逃避の手段を歌いかなりのマイナス思考。しかし『ゲット・フリー』では「自由になるんだ」と、とても強気で前向きに歌ってる。その他の歌も合わせると、本当に同じ人が歌っているとは思えない部分が随所に見られる。さらにライブの時の控え室では、ソファーの上でひざを抱えて一人でブツブツ言ってるらしい。そんなクレイグに管理人は久しぶりに芸術家肌の人を見たと思った。そしてニルウ゛ァーナのカート・コバーンとすごく似ている印象を受けた。だから少し不安を感じていた。

来日ドタキャン率66%のウ゛ァインズだが、その大きな要因はやはりクレイグだ。来日してライブの時、『お前らの国は最低だな!!』と発言したり、アメリカのテレビ番組のリハーサルで大暴れしてセットを破壊し、出演がキャンセルになったりと、あちこちで問題を起こしている。そんな中、2004年11月にクレイグが軽い自閉症の一種、アスペルガー症候群と診断を受けたとのニュースが流れた。これはオフィシャルサイトでも発表されている。このニュースを聞いた時、やっぱりなと思った。やっぱりなと思った理由は、2ndアルバムに収録されている『ウィニング・デイズ』がすごく気になっていたからだ。この曲の中で『勝利の日々は去った』と歌っているが、クレイグにとっての勝利の日々の『勝利』とはいったい何を指しているのか気になっていた。

クレイグにとっての『勝利』とは一体、何を指しているのか考えてみた。まず『勝利の日々は去った』と歌ってる事から、バンドがブレイクする事が勝利ではなく、ブレイクした事で失った何かを指してるはずだ。ブレイクした事で失ったものとは孤独ではないだろうか。 芸術家肌であるがゆえに繊細で傷付きやすく、幼少時代に一人で過ごす時間が長かった事を考えると、『ビートルズとニルウ゛ァーナの出会い』との称賛を受けてブレイクした1stによって大勢の人や組織の中に組み込まれていく事に対応出来ず、戸惑ったはずだ。音楽も含め、芸術と孤独は密接な関係にあると思う。孤独の良さが分からなければ良いものは出来ないとも思う。孤独でなくなるがゆえにアイデアがでなくなったり、スランプになるというのはよくある話しだし、『孤独は芸術の故郷だ』という言葉まで残した人もいるぐらいだ。個人的にもそれは正しいと思う。孤独の中から生まれて来るものの方が魂が入ってるのは事実だし、そういったものを作れる人は、孤独の中から生まれて来るものに安らぎを感じるし、孤独の中から生まれて来るものにしか存在しない安らぎというものを必要とする。クレイグもきっと、ファンやマスコミの拍手喝采よりも、孤独な時間も持てて、放出しなければならない感情を吐き出せる曲作りやレコーディングをやる事を望んでいたのだろう。曲作りやレコーディングが出来る日々。それがクレイグにとっての『勝利の日々』じゃないかと思う。ツアー中に多いトラブルはそれで説明がつく。そしてアスペルガー症候群のニュース。今まで、さんざん暴れ回ったりトラブルを起こしてきた事は全て1本の線で繋がった。クレイグはやはり病んでいた。でもこの見た目では異常を確認できない自閉症を煩ってるという事が知れ渡った事で、クレイグはある程度、救われるかもしれない。今までの暴言やトラブルは、自分勝手なわがままではなく病気だったという事が証明されたのだから。そしてカート・コバーンと同じように最後を迎える可能性も下がったと思う。

目の前でライブを見たいというのはファンの当たり前の心理だけど、ウ゛ァインズのファンは、『早くツアーやって欲しい』という気持ちじゃなく、『いつでも、その気になったらツアーをして。その時には必ず見に行くから』というような気持ちで、クレイグが自ら望んでツアーに出る気になる日を待つ事が、本当のウ゛ァインズのファンだと思う。その日が来るまで、ウ゛ァインズの素晴らしい曲を聞き、クレイグの手掛けたジャケットのとてもア―ティスティックなアートワークなどを見ながら気長に待とう。


DISC REVIEW
1st【Highly Evolved】2002年
1:34秒の『Highly Evolved』、2:04秒の『Get Free』など、早っ!!って言いたくなるシングルが収録。このアルバムを一回聴けば、今後ウ゛ァインズが出すアルバムは必ず買いたくなると思う。それほどの出来だ。『Homesick』もなかなかの名曲。
   採点       90点
   オススメトラック   1、3、5、6、11 
2nd【Winning Days】2004年
やっぱりウ゛ァインズはやってくれた!!これぞウ゛ァインズって感じのアルバムに完成している。美しいメロディーとコーラスは健在でパンクっぽい曲もあっておなかいっぱいになれるアルバム。特に『Winning Days』のメロディーの美しさは、心を打つ。
   採点       90点
   オススメトラック   1、6、7、8、11 

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